水産加工食品製造業 技能実習評価試験

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水産加工食品製造業技能実習評価試験に関する用語集

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HACCP
原材料受け入れから最終製品までの、各製造工程ごとに危害要因を分析(HA:Hazard Analysis)した上で、危害防止に関係する特に重要な工程(CCP:Critical Control Point)を継続して監視・記録する衛生管理手法。
5S
職場の環境を良好に維持するためのスローガン。5つのSは整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・躾(Shitsuke)を意味する。
逆性石けん
殺菌作用のある陽イオン界面活性剤のこと。手洗い石けんのような洗浄力は無いため、手洗い石けんで汚れを洗浄したあとにこの石けんで殺菌消毒洗浄する。手洗い石けんとの同時使用は効果がない。逆性石けんは殺ウィルス効果はないため、ノロウィルスなどには別の対策が必要である。
消毒用エチルアルコール(エタノール)
70~75%濃度の水溶液は最も強い殺菌作用がある。スプレー容器に入れて手軽に使用でき、残留性、毒性も少ないため、加工器具の殺菌・消毒など、現場では広く使われている。
硬水
カルシウムとマグネシウムなどのミネラルを多く含む水のこと。この水は石けんの泡など落としにくい特徴があり、うま味成分を引き出す(だし等)和食料理みは向かない。
軟水
カルシウムとマグネシウムなどのミネラルが少ない水のこと。この水は石けんが泡立ちやすく、落としやすい。うま味成分を引き出す(だし等)和食料理に向いている。
ミネラル(無機質、灰分)
体の機能の維持・調節に欠くことのできない栄養素で、無機質、灰分などともいう。ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素が人にとっての必須ミネラルである。
次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)
水溶液はアルカリ性で漂白作用や殺菌作用があり、飲料水、加工器具、ノロウイルスなどの消毒殺菌に使用される。有毒な塩素ガスが発生するため、適正な濃度用法で使用することが大切である。
歩留まり
製品製造において、使用した原料などの重量に対し、そこから生産された製品重量の割合のこと。
回遊魚
季節または時期ごとに、広範囲な海洋のほぼ同一の経路を移動している魚介類のこと。マグロ、カツオ、サバ、イカなど。
ゼロ・エミッション
社会全体として廃棄物を自然界へ排出しない社会システムのこと。産業により排出される様々な廃棄物・副産物について、他の産業の資源などとして再活用することにより社会全体として廃棄物をゼロにしようとする考え方。水産加工においては、加工後に出る残滓を有効利用をすることで廃棄量を減らし、環境に与える影響を減らす取組が行われている。
DHA
ドコサヘキサエン酸の略称。アジやイワシ、サバ、カツオ、サンマ、マグロなど海産魚類の脂肪に多く含まれ、人の体内では生成することができない必須脂肪酸の一つ。DHAはn-3系多価不飽和脂肪酸に分類され、6個の二重結合を持つことから酸化されやすい。一方、生活習慣病の予防に役立つ様々な働きがあり、血中の中性脂肪を下げたり、動脈硬化を防いだりすることなどが分かってきている。
EPA
エイコサペンタエン酸の略称。正式な化合物名はIPA(イコサペンタエン酸)。DHAと同じく、n-3系多価不飽和脂肪酸で、海産魚類に多く含まれる。人の体内では生成することができない必須脂肪酸の一つ。魚の油には必ずEPAとDHAの両方が含まれている。DHAと同様、酸化されやすい欠点がある。一方、生活習慣病の予防に役立つ様々な働きもDHAと似ている。
タンパク質
炭水化物、脂質とともに三大栄養素と呼ばれており、血液や筋肉などの身体をつくる主要な成分である。魚類のタンパク質量は必須アミノ酸がバランスよく含まれている「良質なタンパク質」とされ、その優良性は、大豆、卵 、牛乳 、畜肉と同等である。
輸入・輸出
国境間で行われる貨物の取引のうち、外国から自国に買い入れることを輸入いう。逆に、自国の貨物を外国へ販売することを輸出という。
アニサキス
寄生虫(線虫)の一種。幼虫(アニサキス幼虫)は、白色の少し太い糸のような見た目で、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生する。この幼虫が寄生している魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含む)で食べると、幼虫が胃壁や腸壁に穿入して食中毒(アニサキス症)を引き起こす。冷凍(マイナス20℃、24時間以上)または加熱(70℃以上)することにより防ぐことができる。
ゼリーミート
ジェリーミートとも言う。鮮度にかかわらず魚の身が軟化および流動状になるまで崩壊・液化する現象。魚類を宿主として寄生する粘液胞子虫という寄生虫が、宿主の死後、体内のタンパク質分解酵素で宿主の身質をゼリーのように溶かしてしまう
脂質 / 脂肪
炭水化物、タンパク質とともに三大栄養素と呼ばれている。生体成分のうち、水に溶けない物質をいい、体内でエネルギー源となるほか細胞膜を構成する成分や生理活性物質として働く。
酸化
熱、光、酸素、食品中に含まれる金属イオンや光増感物質などの影響により、物質が酸素と化合する反応、またはある物質から水素が奪われる反応のこと。水産物では、脂の酸化により変色、異臭、異味の発生や栄養価の低下などにより品質低下が問題になる。
水溶性
水に溶ける性質。水溶性タンパク質、水溶性ビタミンなどがある。塩溶性および脂溶性はそれぞれ、塩溶液および脂質に溶ける性質
栄養価
食品の栄養としての価値。タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・無機物質・繊維質などの栄養成分のを質と量によって栄養的な価値を表す。
ヘム鉄
ヘム鉄は鉄(Fe)とポルフィリン環により形成される物質、魚では血液のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンに含まれている。畜肉や赤身の魚に含まれるヘム鉄は、牛乳や卵、野菜などに含まれる非ヘム鉄に比べ、人体への鉄の吸収率は高い。
イノシン酸
イノシン酸は、核酸関連物質の一つで、魚では、死後にATPの酵素による分解によって生成される。うま味成分として知られており、鰹節や煮干しのダシのうま味にはイノシン酸が重要な役割をしている。
心筋梗塞
心臓(心筋)が酸素不足になり壊死する病気。心臓に血液と酸素を送る冠動脈が加齢とともに硬くなり、さらにコレステロールなどが沈着すると血液の通り道が塞がれ、血流不足となることにより起こる。魚類に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系多価不飽和脂肪酸は血液をさらさらにして動脈硬化を防いだりする働きがあるため、心筋梗塞の予防に有効である。
脳梗塞
いくつかある脳卒中のひとつで、脳の血管が詰まって酸素不足になり脳細胞が壊死する病気。心筋梗塞と同様に動脈硬化が主な原因とされるため、それを予防するために魚類に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系多価不飽和脂肪酸を摂取することは有効である。
ビタミンA
レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンに分類され、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがある。食品では豚・鶏レバー、うなぎなどに多く含まれる。
グリコーゲン
糖質(炭水化物)の一種で、デンプンと同様多糖類(単糖類が多数結合したもの)に分類される。糖質が分解されるときにエネルギーが生まれ、このエネルギーが脳や体を動かす力となる。魚介類ではカキ、ホタテなどに多く含まれ、特に貝類ではエネルギーの蓄積に重要な物質である。
死後硬直
死んでからある時間が経過すると筋肉が次第に収縮し、硬直する現象。魚の死後変化は一般に「死後硬直」、「解硬」ののち、魚介類自身がもともともっている自己消化酵素によって肉質が次第に柔らかくなっていく「軟化」を経て、「腐敗」という順に進行する。
活けじめ(活きじめ)
活魚を水揚げ直後に即殺し、血抜き、神経破壊することで鮮度を保つ処理方法である。自然死させた場合と比較して、長く高鮮度を保つことができ、味も良くなる。
官能検査
人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて製品の品質を判定する検査のこと。
K値
鮮度指標のひとつで、魚類生鮮度判定恒数のこと。魚肉に含まれる核酸の一種アデノシン三リン酸(ATP)は死後、自身の持つ酵素により、時間の経過とともにアデノシンニリン酸 (ADP), アデノシン一リン酸 (AMP), イノシン酸 (IMP), イノシン (HxR), ヒポキサンチン (Hx) へ分解される。この分解されたイノシンやヒポキサンチンなどのことをATP関連化合物(核酸関連物質)といい、そのATP関連化合物の割合から魚肉の鮮度を判定する。K値は次の式で求められる。

K値と鮮度の関係は魚種によっても若干異なるが、一般的に 0~20%が生食用、20~60%までが、加熱調理向け、60%以上が食不適といわれている。
自己消化
死後、筋肉の成分(タンパク質、脂質、グリコーゲン等)が体内の酵素により分解される作用のこと。魚肉は、自己消化によって軟化や細菌の繁殖を起こしやすくなる反面、タンパク質の分解でうま味成分のアミノ酸が生成されることもある。
緩慢凍結
食品を凍結する際、食品の中心温度が最大氷結晶生成帯(マイナス5℃~マイナス1℃)で30分以上かけてゆっくりと凍結すること。(最大氷結晶生成帯を30分以内で通過する場合は急速凍結という)緩慢凍結では、食品中の氷結晶は大きくなり、食品の組織はダメージを受けるため、解凍後ににドリップがでたり、食感が変化するなど品質が劣化する。
ブライン凍結法
ブライン(食塩、塩化カルシウムなどの濃厚溶液)をマイナス17~マイナス40℃に冷却し、食品(または包装食品)を漬け込んで凍結する方法。液体は空気に比べて熱伝導率が20倍大きいので、非常に速く冷やして凍結することができる。どんな形状・大きさのものも凍結できるが、食品を直接漬けると、微量のブラインが食品中へ浸透する欠点がある。
コンタクト式凍結法
金属板の中にマイナス30℃~マイナス40℃の冷却した液体を流し、冷却された金属板で食品を挟んで凍結する方法で、触媒凍結法、プレート式凍結法とも呼ばれる。食品の表面に熱伝導の高い金属板が直接冷却されて触れるので、冷却効率が良い。ブロック状の食品の冷凍に使われ、水産加工品では、すり身の冷凍などに用いられている。
塩化カルシウム
無機塩類の一つで、水の凍結温度を大幅に下げる働きがある。濃度30%の水溶液はマイナス55℃まで凍結しないため、ブラインとして用いられる。
アイスグレーズ
食品を凍らせてから、冷却水に数秒間浸したり、散水するなどし、再度冷凍することで表面に満遍なく氷の膜をつけていく作業のこと。グレージングともいう。冷凍品が直接空気に触れないようになるため、乾燥や酸化を防ぐための方法として用いられる。
最大氷結晶生成帯
食品を冷凍する過程で、氷結晶が大きくなりやすい温度帯のことで、通常、食品が凍り始めるマイナス1℃~マイナス5℃までの温度帯を指す。この温度帯では、生成する氷の核の数は少なく、かつ、水分子の拡散速度が大きいため、数少ない氷の核に水分子が集まりやすく、大きな氷結晶を生成する。そのため、食品の品温が最大氷結晶生成帯に留まる時間が長くなるほど、氷結晶は大きくなるほか、冷凍によって濃縮が進むことで、pHや酵素の変化、溶質濃度の増加が起きて、化学反応が促進され、食品の品質に大きな影響を与える。

解凍硬直
魚肉を死後硬直する前(筋肉中にアデノシン5’-三リン酸(ATP)含量が高い状態)に凍結したため、解凍時に魚肉が硬直(解凍硬直)を起こす現象。筋収縮によって変形し、多量のドリップが出てしまうため、うま味が失われるなど品質が低下する。
ATP
アデノシン5’-三リン酸の略。アデノシンという物質に3つのリン酸基(P)が結合しており、筋肉の収縮など生命活動で利用されるエネルギー物質。水産動物の組織中に分布するヌクレオチド([核酸塩基+糖+リン酸]という単位のこと)では、ATPとアデノシン5’-二リン酸(ADP)が代表的である。
ATP加水分解酵素の働きによってATPが分解されると、ひとつのリン酸基(P)がはずれてADP(アデノシン5’-二リン酸)になり、その際にエネルギーを放出。このエネルギーを使って筋肉の収縮が行われる。
過酸化水素水
過酸化水素を水で希釈したもの。オキシドールは3~4%の過酸化水素を含む水溶液で、強力な酸化剤で、消毒、殺菌などに使われる。
塩化ナトリウム
塩素とナトリウムとが結合してできた化学物質のこと。単に塩(しお)と呼ばれる場合も多い。
塩化ナトリウムの含有割合や水分量等によって特級塩、食塩、並塩、白塩の主に4つの種類に分けられる。
並塩
天日塩を精製した最も一般的な湿った塩で、食塩よりも安価だが苦汁(にがり)分を多く含む。
にがり
海水から塩(しお)を作る際に残るミネラル分を多く含む粉末または液体であり、その成分は塩化マグネシウムが中心である。
グラニュー糖
さとうきびやてんさいから作られる原料糖を、洗浄・濃縮・ろ過などの製造工程を経て、不純物やミネラルを取り除き、結晶化したもの。
グラニュー糖に、転化糖を加えたものが上白糖で、グラニュー糖は上白糖に比べて純度が高く、コクの無いあっさりとした甘さである。
上白糖
さとうきびやてんさいから作られる原料糖を、洗浄・濃縮・ろ過などの製造工程を経て、不純物やミネラルを取り除き、結晶化し、最後に転化糖を加えたもの。転化糖を加えることで、コクのある砂糖となる。
ソルビトール(ソルビット)
ブドウ糖を還元してできる糖アルコールのことで、甘味料として多くの食品に使用されている。天然にも、海藻類や果実類(梨、リンゴ、プルーンなど)に比較的多量に含まれている。砂糖や水飴に比べ甘味は弱いが、多くの水分を保持できるため、甘味を抑制し、水分活性を低くしたい食品に利用される。
グルタミン酸
グルタミン酸は、アミノ酸の一種で、コンブのうま味成分として知られている。グルタミン酸にナトリウムを結合させたグルタミン酸ナトリウムは、調味料として多くの食品に使用されている。
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCともいう。水に溶けやすく酸性で強い還元作用があり、食品の変色、風味の劣化などを防止する。食品添加物の酸化防止剤として、塩干品や塩蔵品などの水産加工品に広く使用されている。また、栄養強化の目的で使用される場合もある。
酸化防止剤
製品中の成分に代わって自身が酸化されることによって、酸化を抑制するために添加される物質のこと。市販の酸化防止剤には、食品に使われるものには以下のようなものがある。
・L-アスコルビン酸(ビタミンC、V.C)
・エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)
・カテキン
・ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
・トコフェロール(ビタミンE、V.E)
・ブチルヒドロキシアニソール(BHA)
窒素ガス
不活性(化学反応を起こしにくい)という特性を持つ窒素ガスを封入することにより、包装内の残存酸素を減少させることで、酸化防止および菌の増殖を抑制する。
褐変
食品が褐色に変化すること。酸化反応や化学反応により褐色物質を生み出す。
食品加工においては主に下記のような褐変反応がある。
・ポリフェノール成分による褐変
・油脂の酸化による褐変(油焼け、酸敗)
・糖類による褐変とメイラード反応
(すきみだらやいか製品の褐変、缶詰のオレンジミートなど)
・その他の褐変
(マグロ肉などのミオグロビンによる変色など)

水産物(副資材)の褐変の原因とその抑止因子
褐変の原因となる
主成分
食品例褐変促進因子褐変の抑制方法
油脂
(特に不飽和脂肪酸を
含むもの)
魚介乾製品
魚介塩蔵品
水産加工品(副資材、添加物、植物油など)
酸化酵素、リパーゼ
酸素、金属、ヘム色素
アミノ酸、タンパク質等
酸素の失活
酸素の除去
金属の封鎖
抗酸化剤
肉色素
ミオグロビン
マグロ
ブリなど
高温
酸素
低温
酸素の除去
還元糖、ブドウ糖
果糖ほか
調味加工品副資材など
(カラメル、しょうゆ、みそ
清酒、パン、乳製品)
高温、アミノ酸
酸素、金属
タンパク質等
低温
亜硫酸塩
酸素の除去
金属の封鎖
アスコルビン酸ほか水産加工品
(副資材、添加物、
果汁など)
高温、アミノ酸
酸素、金属
タンパク質等
酸素の除去
金属の封鎖
低温
亜硫酸塩
フェノール性物質
カテキン類
クロロゲン酸など
水産加工品
(副資材、添加物、紅茶、コーヒー、根菜など)
金属、アミノ酸
タンパク質
酸化酵素等
酸素の失活
酸素の除去
金属の封鎖
亜硫酸塩
酢酸
刺激臭と酸味とをもつ無色の液体。食酢の中に4~5%含まれ、その酸味の主成分をなす。食酢には、天然物の発酵によって作られる醸造酢と工業的に作られる合成酢がある。食酢は、一般には調味料として用いられるが、食品を酸性にし微生物の繁殖を抑制することで保存性を向上させる効果もある。
脱酸素剤
密閉容器内で酸素を吸収して、脱酸素状態(酸素濃度0.1%以下)とする薬剤。食品を脱酸素環境に置くことで、カビ、害虫、油脂の変質などが防止し、品質を保持する。脱酸素剤により食品の品質を保持するためには、包装に酸素透過性の低い材質の袋を用い、シール機(シーラー)により密閉することが大切である。鉄の酸化を利用して酸素を吸収するタイプが主流であるが、糖などの酸化反応を利用した有機系のものも一部で使用されている。
本みりん(みりん)
日本料理の調味料や飲用に用いられるアルコール飲料のひとつ。単に「みりん」と呼ばれることもあるが、「みりん風調味料」と区別するため「本みりん」と 呼称される。「本みりん」はもち米・米麹・アルコールを発酵して作られ、14%前後のアルコールが含まれている。
また、「みりん風調味料」はブドウ糖や水あめなどの糖類・米・米麹・うまみ調味料・香料などを短時間で調合し作られ、アルコール度数は1%未満。
pH
酸性からアルカリ性の間に0~14の目盛りをつけて、酸・アルカリの度合いをその目盛りの数字で表すもので、 pH7を中性とし、それ未満を酸性、それより大きければアルカリ性とする。 pH7よりも値が小さければ小さいほど酸性の性質が強く、値が大きければ大きいほどアルカリ性の性質が強い。

芽胞
ウェルシュ菌、セレウス菌、ボツリヌス菌などは、生存に適さない環境(高温、乾燥、栄養状態の悪化など)になると菌体内に芽胞という硬い殻の構造物を作って休眠することができる。芽胞は煮沸や冷凍処理、乾燥、アルコール消毒などの過酷な条件下でも完全には死滅しない。芽胞を死滅させるには、例えば180℃で30分間以上加熱などという通常の細菌の場合よりも厳しい滅菌条件が必要である。芽胞の状態のままで菌が増殖することはないが、生存に適した状態に環境が変化すると、芽胞から菌が発芽し、再び活発に増殖を始める。
昇華
固体が液体になることなしに、直接気体になること。
蒸発
液体が表面から穏やかに気体 (蒸気) になること。
液化
気体が冷却や加圧によって液体に変化すること。
噴霧乾燥
液体または液体・固体の混合物(泥漿/スラリー)を気体中に噴霧して急速に乾燥させ、乾燥粉体を製造する方法。他の乾燥法と比較して製品を速く乾燥させることが可能である。
レトルトパウチ食品
一般にレトルト食品と呼ばれる。レトルト(高圧釜)により120℃・4分以上の高温・高圧で殺菌されたパウチ(袋状のもの)、または成形容器(トレー状など)に詰められた食品のこと。レトルト殺菌した商品は商業的な無菌状態にできるので常温流通が可能となる。
炭水化物
炭水化物には大きく分けると、体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分けることができる。ご飯、パン、めん、いも、果物、砂糖、はちみつなどに多く含まれる。水産物の炭水化物は、紅藻類から寒天やカラギーナンが、褐藻類からアルギン酸が抽出され多くの食品に利用されている。
ミオグロビン
筋肉中にあって酸素分子を代謝に必要な時まで貯蔵する色素タンパク質のこと。一般に動物の筋肉が赤いのはこのミオグロビンや血液色素タンパク質のヘモグロビンなど赤い色素が多く含まれるためである。一般にミオグロビンの含有量が筋肉100gあたり100㎎以上のものを「赤身魚」、それ未満のものを「白身魚」と呼んでいる。ミオグロビンおよびヘモグロビンにはヘム鉄が含まれている。
赤身魚:カツオ、マグロ、ブリ、アジ、イワシ、サンマ、サバなど大量に酸素を必要とする持久力の高い回遊魚に多い。
白身魚:タイ、タラ、ヒラメ、カレイ、フグ、アナゴなど大量の酸素は必要としないが、瞬発力を必要とする沿岸魚や深海魚に多い。
ミオシン
筋原繊維(筋肉の微細構造の構成単位)を構成する主要なタンパク質のひとつ。複雑な繊維構造を形成して ATP を加水分解する酵素活性を持つ。練り製品製造の塩ずり工程において、ミオシンはアクチンと結合し、加熱によってゲルを形成し、かまぼこなどの各種の練り製品になる。
アルギン酸
褐藻などに含まれる多糖類で、食物繊維の一種。水に不溶性である。
リノール酸
人の体内でつくることができない、必須脂肪酸のひとつ。n-6系多価不飽和脂肪酸に分類される。血中のコレステロール濃度を下げると言われている。コーン油、大豆油など、身近な植物由来の油の主成分でもある。
オレイン酸
n-9系一価不飽和脂肪酸に分類され、食品中の油から取り入れるほか、体内でも合成される。血中の善玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロール濃度を下げると言われている。代表的な油にオリーブオイルがある。
α-リノレン酸
人の体内でつくることができない、必須脂肪酸のひとつで、n-3系多価不飽和脂肪酸に分類される。α-リノレン酸は、体内に入ったあと、代謝されてEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)となる。
紫外線照射
紫外線は光子のもつ高いエネルギーにより、生体高分子を直接変化させるか、活性酸素を発生させることによって殺菌作用を示す。生体高分子のターゲットはDNAである。紫外線照射は、食品工場、食品の殺菌に幅広く使われている
解凍ドリップ
冷凍品を解凍するときに食品から流出する液汁のこと。解凍時のドリップ量は、凍結方法や凍結貯蔵中の環境によって異なり、緩慢凍結や貯蔵中の温度変動の大きかったものほど多くなる。
エアブラスト凍結
冷やした空気を循環させることで、冷凍庫内の温度を下げて凍結する方法。
液化炭酸ガス
炭酸ガス(二酸化炭素)は炭酸飲料に使われるほか、食品のガス置換包装に窒素ガスとともに使われる。脂質や筋肉色素の褐変の防止、細菌などの発育の抑制に効果があるとされている
塩溶性タンパク質
塩溶性タンパク質は高濃度の塩(しお)を含む溶液で溶出するタンパク質で、筋肉中では筋原線維を構成している。ミオシンおよびアクチンが主要成分で、このほか調節系のトロポミオシン,トロポニン、その他の微量タンパク質が含まれる。鮮度低下に伴って塩溶性タンパク質の塩溶液に対する溶解度は減少する。
コラーゲン
魚では筋肉、皮膚、骨、鱗、鰾などに多量に含まれ、全魚体タンパク質中の15?45%を占める。ゼラチンの原料としても知られる。魚介の煮こごりはコラーゲンがゼラチン化して固化したものである。
高度不飽和脂肪酸
不飽和結合を2つ以上持つ不飽和脂肪酸のこと。多価不飽和脂肪酸ともいう。n-6系脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸 やアラキドン酸、n-3系脂肪酸のα-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがある。これらn-6系およびn-3系脂肪酸の出発物質、それぞれリノール酸およびαリノレン酸は動物は合成できないため、上述したn-6系およびn-3系脂肪酸は広義で必須脂肪酸となる。
真空凍結乾燥法
水分を含んだ食品や食品原料をマイナス30 ℃程度で急速に凍結し、これを減圧して真空状態の環境で水分を昇華させて乾燥させる方法のこと。フリーズドライともいう。酵素や微生物の作用が抑制され、常温で長期保存ができる。低温で乾燥されるため、品質の劣化が少ない。
冷風乾燥
生鮮品の乾燥物では最も広く利用されている乾燥方法。
冷却・除湿して調製した乾いた空気を庫内に循環させて水分の蒸発を促す。低温の空間で行われるため、食品の乾燥中の劣化を防ぐことができる。
熱風乾燥/温風乾燥
ガス、重油、灯油などをバーナーで燃焼させ、その熱風を庫内に送り込んで食品を乾燥させる方法。熱風乾燥には直接式と間接式とがある。直接式は、加熱した空気を直接送風機で庫内に送り込み、循環させる方法で、熱効率が高く、昇温時間が短いなどの利点があるが、酸化や変色などの品質劣化が進みやすい欠点がある。一方、間接式は熱交換器を介してクリーンな熱気を庫内に送り込む方法で、食品を高品質に維持できる。
ロイン
マグロ、カツオなどのドレス(頭と尾を切り落とし、エラや内臓といった傷みやすい部位を取り除いたもの)を四つ割りにして皮、骨、血合い肉などを除いたもの。

上乾き
製品などの表面が先に乾燥することで内部にある水が拡散蒸発しにくくなり、表面だけが乾燥して内部の水分が多い状態。
あんじょう
乾燥させる製品を製造する際、乾燥工程の合間に製品の水の蒸発を防ぐシートなどで覆い室温に置くことで製品内部の水分が表面へ拡散して均一になるよう促すこと。上乾き(うわかわき)防止のための工程。
酸敗
魚肉加工品の酸敗は、脂質酸化によって色、味、臭いなどが劣化し、品質が低下することをいう。変敗も同義。

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